【書評】算数と学級経営を同時に学びたい先生へ 〜田中博史の算数授業のつくり方〜

【書評】算数と学級経営を同時に学びたい先生へ
田中博史先生
田中博史先生は、
- 筑波大学附属副校長(2018年6月現在)
- 全国から研究会講師依頼多数
- 全国算数授業研究会会長
- 日本数学教育学会出版部幹事
- 学校図書教科書監修委員
と言う紛れも無い日本の算数教育のトップにおられる先生です。
また、夏にはお笑い芸人とコラボしてトークイベントを企画をしている先生としても有名です(^ ^)
全国算数授業研究会で何度かお話を聞かせていただきましたが、
- 授業力
- 学級経営力
の高さは、紛れもなく日本でもトップクラスだと思っています。
(誤解を恐れず言えば、私の中では「天才型」の先生のトップの方です)
算数の授業実践の素晴らしさは語るまでもない人ですが、それと同等以上に田中先生の学級経営、子ども対応の技術がすごいです。公開授業での子どもからの慕われっぷりが突き抜けていました(笑)
教員時代はベテランの先生から
「若いうちは子どもから無条件で好かれるけど、30歳すぎたら子どもは離れていくからね」
と言われましたが、田中先生を見ると「あれはただ実力不足の人の言葉だったんだな」と思います。
そんな田中先生の学級経営論と算数授業論が同時に学べるのが本書です(^ ^)
目次
講座Ⅰ 算数授業を支える学級づくりのコツ
講座Ⅱ 1・2・3年生の算数授業づくり
講座Ⅲ 4・5・6年生の算数授業づくり
講座Ⅳ 活用力、表現力、読解力が育つこれからの授業づくりのあり方
感想
本書は、田中先生の講座を文章に起こした形式になっています。
なので、説明一辺倒ではなく、参加者とのやりとり、会話形式で掲載されているので、非常に読みやすいです(^ ^)
初めて読んだ時に
- 4月学級びらきに子どもの関係をつくるゲーム
- 学級のルールの決め方
- 高学年女子の対応の仕方
など、学級づくりをする上で重要なポイントを紹介しています。
今まで気づかなかった視点から子どもの行動が紹介されており、目から鱗の連続でした。
また算数の授業の紹介では、
- 子どもが文章問題を解けるようになるステップ
- 子どもが分数をイメージできるようになる授業づくり
- 比や割合の立式のさせ方
など、子どもがつまずくポイントを押さえた実践例が紹介されています。
すぐ授業に取り入れられる内容も多いので、担任時代はすぐに授業に取り入れました(笑)
そして本書で一番心に残った言葉は、
子どものトラブルは神様がくれたいいチャンス
です。
学級経営も授業も「子どものトラブル」で成長させる、と言うマインドを学べたことが本書を読んで一番大きな気づきでした。
学級経営と算数を同時に学びたい方がいれば、ぜひ読んでみてください(^ ^)