算数の文章問題が苦手な子への2つの対策

算数の文章問題
算数の文章問題は多くの子供が苦手とします。
計算はできるけど、文章問題になると途端にできなくなる子もいます。
大人が「よく読んで!」と言っても変わりません。
文章の中の数字だけとりあえず式にしますが、ひねった問題はお手上げです。
なぜできない?
そもそも算数の文章問題は非常に難易度の高い問題です。
- 文章を読む力
- 場面をイメージし把握する力
- 問われている内容を理解する力
- 数の概念
- 四則計算の適応能力
- 計算能力
- 回答のための読解力
など様々な力が必要となるため、そもそも計算問題とは難易度が違います。
なので、子供ができないからと言って、サボっているということはほぼありません。
文章問題をめんどくさいという子は、サボっているのではなく「できない」と認識することが大人には重要になります。
具体的な支援
文章問題を解けるようになるためには、大きく2段階のトレーニングによって改善できます。
①文章問題と絵をつなげる
算数の文章問題が得意な子は、文を読んで頭に状況をイメージできます。
しかし、このイメージする力がなければ、読んでも式におこすこができません。
逆に言えば、このイメージする力を鍛えれば、算数の文章問題は非常に解きやすくなります。
そこで、このような文章問題と絵をつなげるプリントなどでイメージをつけることが有効です。
(1年生の足し算)
(2年生掛け算)
このような絵と文章を繋げる問題をすると、絵があっているか確かめるために、文を詳細に確認する必要があります。
この確認作業によって、頭の中に文字からイメージを浮かべる力を鍛えることができます。
実際は立式もできればよいですが、最初は無理をしなくてもよいです。
徐々にイラスト選択が間違えないようになれば、次のステップです。
自作しても良いですが「さんすう忍者シリーズ」などでは、この系統の問題をメインで扱っています。
他にも学校だと「文溪堂」の算数スキルに多く配置されている印象です。
(学校用なので、一般には販売されていませんが^^;)
②文章問題を見て、絵を描く
次の支援として「文章問題から絵を描く」という対策が有効です。
そもそも子どもが算数の文章を読んで理解しているのかどうか、把握するのは難しいです。
そこで、子どもに文章問題から絵を描かせてみます。
書ければ把握している。
書けなければ、文章理解ができていないということです。
例えば、
「ゆうとさんは、39円もっています。15円のアメを買います。のこりはいくらでしょうか。」
という問題が出た場合は、絵を描かせて、
- 男の子(ゆうとさん)
- 15円のアメ
- 39円
を書くことができれば、場面把握ができているということです。
書けなければ、何を描くか教えてあげます。
そして何度も繰り返していると、文章の言葉からイメージができるようになります。
この方法の良いところは、楽しく活動できるので子どものモチベーションが下がりにくいことです。
担任時代は、算数の文章問題は、
- 絵
- 式
- 答え
の3点セットでもってくることをルールにしていました。
特に低学年の間は、言語能力的に文章問題が苦手な子も多いので、空いた時間に問題から絵を描かせるという活動は繰り返し行っていました。
1年間続けるだけで、かなり文章問題の理解度が高まります。
また、さらに絵にするときに、アレイ図、テープ図、数直線などの図を使って書けるよう指導します。
継続すると、高学年の比例や割合などの問題も余裕をもって解くことができるようになります。
この系統の問題集として「算数文章題イメージトレーニングワークシート」があります(^ ^)
終わりに
今回は苦手な子への対策として、2つのステップを紹介しました。
文章問題ができる、やや苦手ぐらいのレベルであれば①のステップは飛ばして②の活動だけで良いと思います。
この2つの活動で、算数の文章問題への理解はかなり進みます。
同時に大事なことは、子どもが「すぐにできると思わない」ことです。
苦手なことを一瞬で克服できる方法など、そう多くはありません。
毎日少しずつでもいいので数か月~数年間繰り返していくと、できるようになります。
先生、親御さんなど支援者は長い目で見て活動に取り組んでいきましょう!(^^)!
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