算数で早く問題が解き終わった子への6つの対応

目次
算数の授業
出来る子と出来ない子で差ができるという問題は長年言われています。
特に算数の授業は差が大きいという実態があります。
私も担任時代、生まれる差にどう対応するか試行錯誤の日々でした。
また全国の多くの先生も日夜研究していると思います。
今回は私が実際に実践していた解き終わった子への対応を紹介します(^ ^)
問題を解き終わった子への対応
①ミニ先生
解き終わり丸をもらった子は「ミニ先生」になって、困っている子へ教える役割を与えます。
子どもに「ミニ先生」になってもらうことで、先生は丸付けに集中でき、終わった子へのフォローも子どもたちがしてくれます。
デメリットとしては、
- 子ども同士で教えると、答えをそのまま教えてしまう
- 終わった子が増えると「ミニ先生」も余って結局遊び始める
- 先生が直接困難な子へ支援には行けない
などがあります。
なので、
- 事前に「ミニ先生」の時は、答えではなく「ヒント」を出すように言っておく
- ミニ先生が4人以上になったら、先生は丸付けから個別指導に移動する
などの実態に応じた調整も必要になります。
②黒板に答えを書く→ミニ先生
特に算数の苦手な子が多かったクラスで行なっていました。
問題を終わった子には、
「黒板に式、答え、(いる場合は)図、を書いてください」
と言って、書かせた後にミニ先生をお願いをするという方法です。
これで、
- 早く解いた子→黒板に書く→ミニ先生
- 中盤で解いた子→(黒板に書く問題がない)→ミニ先生
- 遅い子→黒板の答えを見てノートに答えを書く
と、それぞれのスピードに合わせた活動を保証して、開いた時間を作らないようにする、という方法です。
また黒板に答えを書き終わったら、そこで終了して全体で丸付け、という展開もあります。
授業時間に応じた展開の工夫が可能です。
③問題づくり
早く終わった子は、学習した内容で「スペシャル問題」を作ってもらうという方法です。
問題解決型の授業の場合、
子どもは色々な解き方を考える→共通する法則(=本時の狙い)を見つける
という展開が多いです。
これは、複数の展開から一定のルールを見つける帰納的な思考を多く使います。
反対に、問題づくりはルールを応用して、物事を考える演繹的な思考を使います。
この不足しがちな演繹という算数の力を、問題づくりを取り入れることで鍛えることができます。
また、作った問題は、
- 教室に掲示する
- 学級通信に載せる
などをして子どもの意欲につなげていました。
早く終わった子にもやりがいのある課題かと思います。
④チャレンジ問題を用意する
早く終わった子のために、黒板に難しいチャレンジ問題を掲示しておきます。
チャレンジ問題があるので、早く終わった子も退屈せずに取り組むことができます。
難点は毎回チャレンジ問題を用意するのが大変なことが挙げられます。
⑤そのまま授業終了
解き終わった子から授業終了です。
終わったら自由ですので、子どもたちは張り切って問題に取り組みます。
給食前の4時間目に「解き終わった人は給食の用意ね!」と言えば、子どもたちは集中して問題に取り組みます。
子どもの意欲が一番上がる方法と言えます(笑)
「遅い子が目立つ」とイメージされる人もいますが、終わった子は
- 本を読む
- 係の活動をする
- ボールを持って外にいく準備をする
なと遅い子に注目することはほとんどありません。
個人的には子どもから一番不満も出ず、誰も困らない方法です。
⑥問題は全員で行う
このテーマで少しイレギュラーですが、そもそも個別で問題をせず全体で1問ずつ解いていく方法です。
先生「1番を解きます。」
(1分間時間を与えて、その間に先生は黒板に式や筆算を書いておく)
「そこまで、誰か黒板に答えを書いてくれる人?」
子どもが解いて、答えを確認
これを1問ずつやっていきます。
全体で行えば元から差もできないので全員一緒に授業を進めることができます。
デメリットは問題数が多い場合、授業がダレてしまうことです。
問題数が2〜4問と少ない場合であれば、全体で解いてもそこまでダレる事はないと思います。
終わりに
今回は、算数で早く終わった子への対応を紹介しました。
先生の理想は、早く終わった子は遅い子を優しく教えたり、待ってあげたりする姿だと思います。
しかし、それは先生の一方的な思い込みであり、子どもからすれば「遅い子を待って退屈するのはヤダ!」と思うのが普通です。
先生は「待てない子」を叱るのではなく、早い子をより活躍し、楽しくなる授業展開を考えることも重要です。
できる子が活躍して楽しめるから、できない子にも優しく対応できるようになるのです。
先生の理想ではなく、子どもの視点に立って、一番良い方法を考えていきたいですね(^ ^)
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