なぜ小学校は「シャーペン禁止」なのか?

シャーペン禁止問題
何かと不思議な学校のルールが話題に上がりますが、一番見かけるのは「小学校シャーペン禁止問題」ではないでしょうか?
シャーペンなら健筆を削ることもないですし、鉛筆みたいに何本も用意する必要はありません。
また中学高校では普通に使っています。
塾に通っている子どもは、普通にシャーペンです。
よく「筆圧」の問題が話題に挙げられますが、「そんなに大事か?」と思われている人も多いと感じます。
実は教師もわかってる
世間を知らないと噂される教師ですが、シャーペン禁止は合わない子もいると言うことはみんな気づいています。
しっかり字を書ける子が「塾でもシャーペン使ってるから学校でも良いでしょ!」と言ってきたら、許可してあげたいのが本心です。
「じゃあなんで禁止なの?」となりますが、実は先生たちも理由はあるのです。
シャーペン禁止の理由
①盗難が多い
シャーペンは鉛筆と違い、デザインがかっこいいものも多いです。
しかし、実はシャーペンが出始めた時は、そのかっこよさから盗難が増加した時期がありました。
まだ今より値段も高価だった時代です。
今は昔と比べてシャーペンも安くなりました。
しかし、子どもの中には500円以上するようなシャーペンを持ってきて自慢して盗難発生、と言うケースもあります。
そんな事態になるんだったら、「シャーペンは禁止にしといた方が良いね。」となります。
②筆圧を鍛えるため
色々言われますが、この「筆圧」の理由は世間の印象より大きいと感じてます。
おそらく筆圧に疑問を持つ人は、小学校時代に字を書くのが得意だった人かと思われます。
そもそも筆圧が強いと良い理由は、
- とめ・はね・はらいがはっきり書ける
- 指先の感覚を鍛える
などがあります。
特に、指先の感覚は子ども時代に十分鍛えた方が、その後の人生でも何かと便利です。
また、そのほかにも「学習の記憶の定着が良い」と言うものあります。
鉛筆は指先を使っています。
指先は体の中で最も体感覚記憶として頭に入りやすい箇所です。
よって、強く書いた方が強く刺激が頭に残ります。
シャーペンは芯が細いので、筆圧が弱い子は見えないほど細い字になります。
当然、書いた刺激も頭に強くは残らずなかなか記憶にも定着しづらくなります。
イメージしづらいとは思うのですが、実際に筆圧が弱いのにシャーペンを使っている子の字を見れば、すぐに先生側の気持ちもわかると思います。
ここまで言うと当然「筆圧が十分強い子ならシャーペンでも良いのでは?」と言う意見が出ます。
私は正直「良い」と思ってはいますが、クラスの中に「鉛筆の子」と「シャーペンの子」が混在すると、筆圧の弱い子も「シャーペンが良い」と言い出し始めます。
そこで「君は筆圧云々・・・」と説明しても、「差別だ!」「なんで俺だけ!」と不満が溜まり別の問題も起こり・・・
と収拾がつかなくなる可能性が多いにあります。
それなら最初から「禁止」としておいた方が色々都合が良い、と言うことです(^^;;
終わりに
私は、筆圧が十分に鍛えられている子はシャーペンを使って良いと思います。
実際、受験勉強や学習塾に通っている子には便利な道具です。
ただ筆圧が十分に鍛えられていないままシャーペンを使って受験勉強をしてしまうと、周りの子より学習効率が落ちる原因になると思います。
なので低〜中学年の間は、鉛筆でたくさん書いて鍛える。
高学年の間も、学校では鉛筆を使って「指先の感覚」と「筆圧」を鍛え、そのパワーを受験勉強で発揮する。
と理解していただけると、そこまで悪いものではないと思います。
最近は補助の道具も発売されています。
小学生のうちに鉛筆で十分鍛えておくと、その後の人生でも便利かと思います。
学校の先生も色々悩んでいますので、お互いの意見を尊重しながらうまく付き合っていただければと思います(^ ^)
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