子どもに伝わる「叱り方」

相手のことを考えなさい!
子どもは衝動的に行動することが多いです。
つい、「相手のことを考えなさい!」と叱ってしまうこともあるかと思います。
しかし、叱っても時間が経てば同じことを繰り返してしまう。
何度言っても変わらない、どうして気持ちが伝わらないのかしら。
そう思うこともあるかと思います。
しかし、もしかするとその言葉、子どもに伝わってない可能性があるかもしれません・・・
◆問題 〜子どもの喧嘩〜
例えば算数の時間
- A君がB君に「そんな問題もできないの〜」と言いました。
- B君は悪口を言われたと思い、先生のところに行きました。
- 先生は、A君に話を聞きました。
- A君は、軽い気持ちで言ったようで、悪口だと気付いていませんでした。
さて、このとき先生はA君になんと言いますか?
⑴「B君は、どんな気持ちだったと思う?」
⑵「あなたが言われたらどんな気持ちになる?」
2つともよく聞くセリフですが、みなさんはどちらを使うでしょう?
◆解説
この2つのセリフには、大きな違いがあります。
それは、視点の違いです。
⑴「B君は、どんな気持ちだったと思う?」
→相手の視点で物事を考える
⑵「あなたが言われたらどんな気持ちになる?」
→自分の視点でどう思うか考える
※この視点の違いは国語の授業で習います。
1〜2年生では、1人の視点で物語が進みます。(主人公or語り手)
3〜4年生では、徐々に、複数の視点が入れ変わるお話を学びます(登場人物A、Bの視点が入れ変わる、など)
5〜6年生では、いろいろな視点の物語(語り手が話して進む、主人公の視点で進む、視点が入れ変わる)
少し複雑なんですが、ようするに
相手の視点で考えるのは難しい
ということです。
さきほどの、
⑵「あなたが言われたらどんな気持ちになる?」
は、自分の立場で考えるので、子どもも理解しやすいです。
自分が言われると嫌だ
↓
相手も言われたら嫌だ
↓
相手には言わないようにしよう
という流れで理解できます。
反対に、
⑴「B君は、どんな気持ちだったと思う?」
では、相手の視点で考える力が育っていない場合、
「わかんないよ〜」
となってしまいます。
自分ごとではないので、理解が難しいんですね
私の感覚では
1〜2年生:伝わらないことが多い
3〜4年生:理解が難しい子がいる
5〜6年生:大部分の子はわかる
という感じです。
◆私の場合
どの視点で考えられるかは、子どもによって違うので明確に分けることは難しいですが、
1〜4学年では
⑵「あなたが言われたらどんな気持ちになる?」
5〜6年生では、
⑴「B君は、どんな気持ちだったと思う?」
を使ってみたりします。
(発達段階的には6〜7歳で他者視点を獲得するとされています。)
小学校は1〜6年生と年齢の幅が広いので、学年によって言葉も変える必要はあると思います。
それが難しいところでもあり、楽しいところでもあります(^ ^)
もし、「なんか話が伝わらないな〜」と思ったら少し、視点を意識して話してみてはいかがでしょうか?
終わりに
ちなみに、この理論は教員採用試験の教職教養でよく出るピアジェの発達論の応用です。
教員採用試験の勉強は、今から見ると非常に大事な理論をたくさん扱っていたんだな〜と思います。
当時は良さが、さっぱりわからなかったのが悲しいです(笑)
※縁あって出させていただきましたd( ̄  ̄)