「障がい?個性?」どう見分ければいいの?

校内研修での疑問
発達障がいに関する校内研修を担当した時の話です。
現場の先生は毎日子供たちに接しています。
しかし、いわゆる普通の子と、発達障がいなどの困難を抱えた子では、より良い対応が変わってくるので、職員の共通理解が進んだことは非常に良いものでした。
研修の最後に、質問がありました。それは、
「発達障がいといっても、それは普通の子にもみられる特徴ですよね?それでは障がいなのか、個性や性格なのかわかりません。どう考えたらいいですか?」
というものです。
さて、皆さんはならば、この質問にどのように答えるでしょうか?
障害?個性?
「障がいか?個性か?」
正直これは私も迷うことがありますし、医者ではない教員が決められることではありません。
しかし、考え方の1つとして、
「特徴を複数併せ持っているかどうかが、ポイントだと思います。」
と答えました。
共通して見られる症状
いわゆるADHD、自閉症スペクトラム、学習障害などの発達障がいは、それぞれの症状で共通してみられる症状があります。
その共通した症状が複数併せ持っている場合は、それは発達障がいの可能性が高い、ということです。
そもそも、発達障害は「社会に困り感を抱えている」という共通の症状があります。
得意不得意があるのは当然ですが、社会で暮らす上で困る症状を抱えきれなくなるから「障害」という診断がつきます。
苦手があっても、自分で補える人は「障害」ではないのです。
私の考え
例えば、ADHDの子の場合には
- 不注意(片付けができない、忘れ物が多い)
- 多動(じっとしていられない)
- 衝動性(順番が守れない、人の話を遮って喋りだす、怒ると乱暴になる)
という主に3つの特徴があります。
この中で、例えば、
授業中、先生の話を遮って喋りだすことが多い。(多動性)
一方、片付けや整理整頓はしっかりできていて、忘れ物もなく、時間も守って行動できる。
(=多動性の症状しかみられない)
などであれば、それは個性と捉えて良いと思います。
しかし、
- 片付けられず、机の上が汚い(不注意)
- 時間を守ることが苦手(不注意)
- 授業中も関係のないおしゃべりが多い(多動)
- 怒ったり急に乱暴になる(衝動性)
など、複数の特徴が見られる場合は、ADHDの可能性が高い、ということです。
もちろん、どの症状の程度もありますし、家庭、学校での今までの対応によっても、子供の様子は変わってきます。
しかし、そもそも共通して多く見られるから「症状」なので、より多く見られるなら可能性は高まります。
この特徴は保護者の方のお話でもわかるので、学校での様子と合わせて、考えるのも良いと思います。
私はこのように答えてみました(^ ^)
終わりに
当たり前ですが、最初に考えるのは
「子どもの困り感」
であり、障害名にとらわれずに、その子に寄り添うことが大事です。
しかし、実際は困り感のある子どもに、どう対応して良いかわからず先生が困っている場合がほとんどです。
決めつけるのではなく、支援の方向性を決めるために発達障害の知識を使うのが最善だと思います。
偉そうに、答えましたが、教員は「教育のプロ」ではありますが、「発達障がいのプロ」ではないので、この辺りの見極めは難しいです。(愛着や病気の問題である場合もあります。)
しかし、知識をもって子供に接すれば新たな気づきがあり、専門家への相談も検討できます。
なお、この質問に対して、ご意見、ご指摘、アドバイスなどがあれば教えていただけるとありがたいです(^ ^)
以上です!
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