人に暴力をしてしまう子への対応 〜タイムアウトの実践例〜

人に暴力をしてしまう子への対応
他害行動をしてしまう子
放課後デイサービスは、発達に困難を抱えて学校や学童では交流が難しい子も通ってきます。
そしてその中には、叩く・蹴るなどの他害行為をしてしまう子もいます。
暖かく接してあげたいですが、他害行動(暴言・暴力など)は対人関係に負の影響が大きすぎるので早々に指導を開始します。
タイムアウト
以前、子どもの不適応行動を止める「しつけ」の方法としてタイムアウトを紹介しました。
今回は、実際にタイムアウトの実践を紹介します。
実践例
ふざけて友達を蹴ってしまう男の子がいました。(=Aくん)
相手の子は年上なので、喧嘩のようにはなりませんが格闘ごっこのように思って相手をしてしまいます。
机がある室内で暴れるのは危険です。
しかし、職員が何度注意してもやめません。
そこで、私はAくんに「お友達を蹴ったら、別のお部屋に行きます。」と言い、Aくんは「いいよ!」と答えました。
そして解放すると案の定、私との約束などないかのごとくお友達のところへ行き、蹴りかかりました。
そこで、私はAくんの手を引き「お約束です。」と言って別室に連れて行き、椅子に座ってもらいました。
私は、Aくんから見える位置で記録をとっていました。
Aくんは「嫌だ!」と泣いています。
年齢×1分間たったら、Aくんの元へ行き、「お友達を蹴ったら、このお部屋に来ます」と確認しました。
Aくんは泣きながら「うん」と答えます。
そして、元の部屋に戻ります。
戻った瞬間に、Aくんは走って友達のところへ行き、蹴ってしまいます。
2回目です(^ ^)
また手を引いて、別室に連れて行きます。
「嫌だ!引くな!痛い!ヤダヤダヤダ!・・・」
色々言いますがスルーです。
別室の椅子に座らせ、1回目と同じだけ待ちます。
数分後、半べそになっているAくんと再度お約束の確認をします。
そして、元の部屋に戻りました。
さてどうなるか?
今度は走ることなく、読書中のお友達のところへ行き、隣に座って読書を始めました。
しかし、しばらくすると抑えきれずに手が出てしまいました。
3回目開始です(^ ^)
色々叫びますがスルーします。
また座ってもらい数分間待ちます。
そして、涙を流しながら3回目のお約束の確認をして、戻りました。
今度は、手を出すことなくおとなしく本を読み続けることができました。
その後の遊びや学習の時間も他害行為は一切なく過ごし、今まで放り投げていた学習・療育プリントに静かに取りかかることが出来ました。
終わりに
タイムアウトは元実践が「部屋に閉じ込める」という強烈な方法です。
泣いてしまうことも多いので実践前は職員で共有しておくと良いかと思います。
しかし、科学的な研究に裏付けのある方法(=「ノルアドレナリンの即時効果」)なので、その後の他害行動が激減します。
欧米で主流になるのも納得です。
さて、Aくんには少し怖い思いをさせてしまったので、次は思い切り楽しい体験、成功体験をさせてあげようと思います。
良い行動はを増やすのが、支援の基本です!
以上です。一例ですが、参考になれば幸いです(^ ^)