嘘をつくのが癖になっている子への対応

嘘をつく子
喧嘩の仲裁をしていると、
「僕は言っていません!」「あっちが嘘をついています!」
など、どちらかが嘘を言っているという状況がよくあります。
またそれ以外にも、明らかな嘘をつく子がいます。
大人は「正直に言ってくれればいいのに」と思ってしましますが、どうして嘘をついてしまうのでしょう?
原因
元々、子どもはよく嘘をつきます。
そして原因の多くは「逃げるため」です。
子どもは大人に怒られる場面が多いので「バレなければ怒られない」と覚えた子どもは、嘘をつくのが癖になってしまいます。
また、喧嘩をした子の話を聞いていると「そんなこと言ってない!」と自分のしたことを否定する場面もあります。
これは、
発言を認める=嘘をついたことがばれる=怒られる
と判断して衝動的に行ってしまう行動です。
別の原因としては、大人の関心を引きたくて嘘をつく子もいます。
どちらのケースも大人は困ってしまいますが、今回はごまかそうと嘘をついてしまう子への対応を紹介します(^ ^)
対策
◆怒らない
「すぐに怒る怖い先生」になると、逃げようとする子も増えます。
「怖い先生なら、嘘もつかないだろう」と思うのは、早計です。
万一、怖い先生に嘘が通用した場合に嘘は加速します。
またストレスや緊張感から、冷静な判断が出来ず、別の問題も誘発することもあります。
記憶に空白ができる「乖離」の状態になる子もいます。
なので、本来の「悪い行動をとがめて、反省を促す」という意図からずれてしまいます。
先生が言ったかどうかは関係ありません。子どもに伝わったかどうかが重要なのです。
過度なストレスや緊張を与えることのリスクは知っておきましょう。
◆ルールを明確にする
子どものなかに良い悪いの基準をはっきり、させておくことが大事です。
例えば授業で、
先「みなさんは、廊下を走るのは悪いことですか?」
子「悪いです」
先「では怪我をした子のために保健室に走っていくのは悪いですか?」
子「それは悪くないです!」
先「そうですね。悪いことがあっても、何か事情があるかもしれません。
だから先生はみなさんに何かあれば理由を聞きます。
教室は間違えるところです。理由があれば正直言ってください。先生はちゃんと聞きます。
ただし、話を聞いているときに『嘘をつく』のはどうですか?」
子「それは悪いです!」
先「そうですね。自分がしたことを正直に言うのは良いことです。
しかし『嘘をつく』のは自分がしたことをごまかそうという気持ちがあるので悪いことですね。」
このように
「間違えること」は悪くない
「正直に言う」ことは良いこと
「嘘をつくこと」は悪い
とルールを明確にすることで、子どもが迷うことが減り衝動的な嘘が減ります。
これは家庭でもルールをはっきりさせることは有効です。
◆冷静なトラブル解決
トラブルに対して大人が冷静に話を聞いて解決できるスキルが必要です。
しかし、子どもの喧嘩の話を聞いていると、教師はつい大人の意見を言ってしまいそうになります。
大人が叱って解決すると子どもは不満が残ります。
また、怒られた印象が強く残るので、大人は冷静にトラブルに対応するスキルが必要になります。
以前、基本的な喧嘩対応と実践例を紹介しました。↓
また実践例も紹介しました。↓
「怒らず話を聞く」という基本ができれば、子どもも「正直に言えば先生は怒らない」と信じて行動できるようになります。
終わりに
子どもは嘘をつく生き物です。
それは発達段階や環境によって生まれるものです。
誰一人として「悪い子ども」はいません。
嘘をつかない人になるためには、大人や支援者の対応が必要です。
健全でまっすぐな人に育てることができるよう、支援者は今後も工夫を続けていきましょう(^ ^)
参考になれば幸いです。
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