授業中、立ち歩いてしまう子にどうする? 〜一斉授業の中で困難を抱えた子に対応するには〜

よくある悩み
「授業中に立ち歩いてしまう子にどうすればいいですか?」
という質問を先生からよくいただきます。
授業は先生方の本業であり、学校教育の根幹です。
しかし、授業中に立ち歩かれると、予定が狂い時間がなくなるので、やめてほしい行為です。
一体どうすればいいのでしょうか?
前提の考え方
前提として、「授業を優先する」ということがあげられます。
授業は教室の子どもたち全員を育てるために行われるので、一人の対応に追われて授業が潰れてしまうと、子どもたち全体が損失を受けてしまいます。
立ち歩いてしまう子のために授業を潰す、ということはしては行けません。
つまり、「授業中立ち歩く子への対応」を考える時は「授業は成立させる」という前提を崩してはいけません。
この2つを満たして対応を考えることが重要です。
◆予防する
では実際の対応の話ですが、まずは「予防する」という対応が前提です。
「授業中に立ち歩く」というのはその子の行動です。
しかし、本来はその前に「立ち歩く原因」があります。
「立ち歩く子」だとわかっているのであれば、その原因を考えて事前に対策を考え、予防することが大事です。
例えば、
- どうしても動きたくなる子には「動きたくなったら教室を一周して席に着く」と約束をしておく
- 「隣の子がうるさい」という理由があるなら、席を替える
- 廊下の様子が気になってしまうなら、扉は閉めておく
- 「先生の話が長いのが嫌」なのであれば、話のテンポを上げる練習をしておく
というように、立ち歩いてしまう原因を取り除く準備が必要です。
他にも、「立ち歩いてしまう子」とわかっているので、授業中に立ち歩く場面をつくり、「先に歩かせてしまう」という手もあります。
- 歴史の授業で、「好きな出来事とその理由を決めたら、先生に言いに来てください。」
- 算数の授業で、「教室の前で三の段、後ろで四の段を唱えて、席に戻ります。」
- 理科の授業で、「夏の大三角形の3つの星を覚えたら、教室の後ろに集合」
など、立ち歩く前に立ち歩かせることで、そもそも授業妨害にならない展開にするという手もあります。
このような予防が大切であり、授業中に原因がわからず立ち歩かれたら、その時点で教師の負けなのです。
◆全体を優先する
そうは言っても、実際原因がわからず、立ち歩かれて対応せざる負えない時もあります。
しかし、授業は成立させなければいけませんので、基本的な対応は知っておくことが大事です。
これは、「全体指示を出してから、立ち歩く子に対応する」という流れが基本です。
例えば、突然子どもが授業中に立ち歩いた時は、「教科書25ページを声に出して読みます」と全体に指示をして子どもたちが活動をしている間に、立ち歩いた子の元へ行って対応します。
ただし、その子にリスクがある時は例外です。
(過去に、突然ベランダに飛び出した子がいたので、その時は真っ先に私もベランダに飛び出して捕まえました。)
終わりに
授業を妨害する子の存在は先生にとって厄介です。「問題児」とレッテルを貼りたくなるかもしれません。
しかし、自分から悪者になりたい子など一人もいません。
一番困っているのはその子自身なのです。
子どもの思いに寄り添いながら、楽しく授業を展開できるよう日々工夫していきましょう(^ ^)
以上です!
新刊の案内
※新刊が出ました!特支オタクの当HP運営者が、学級経営について全力で研究、実践してみました(^ ^)