わがままな子に効果的なYOUメッセージの使い方

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わがままな子
- 「別にいいじゃん!」
- 「俺は嫌じゃない!」
- 「俺は悪くない!」
と相手の気持ちを考えず、わがままに振舞ってしまう子がいます。
こんな子にどう対応すれば良いでしょう?
IメッセージとYOUメッセージ
最近流行っているのがIメッセージという方法です。
これは何か相手にしてほしいことがあるとき
「私(=I)はこう思うよ」
と相手に選択権を残して伝えることで、悪い印象を与えずに気持ちを伝える方法です。
反対にYOUメッセージの場合は、
「あなたは〜しなさい」
など、命令系になるので印象が悪くなる傾向があります。
- 「この書類をコピーしておいて。」(YOUメッセージ)
- 「この書類をコピーしてくれると、私は嬉しいな。」(Iメッセージ)
Iメッセージの方が、相手に選択権を与えており、命令もしてないので、柔らかく伝えることができます。
肯定的YOUメッセージ
ではYOUメッセージは全く効果がないのか?
というとそうではありません。
そもそもIやYOUとは、言葉の主語を表しているだけなので、肯定的な言葉がけであればYOUメッセージでも十分有効な場面はたくさんあります。
肯定的なYOUメッセージとは「あなたはこれができる!」という言葉がけです。
事例「テストの点数をバラしたBくん」
子どもが悪口の言い合いで、喧嘩になったケースです。
先生が入って話を聞くと
Aくん「だってBくんがテストの点数言いふらした!」
Bくん「80点数だからいいじゃん!」
と原因はBくんのようです。
◆Iメッセージの場合
先生「先生はテストの点数バラされたら嫌だよ。」(Iメッセージ)
Bくん「だから?」
先生「Bくんだって自分の点数をバラされたら嫌でしょ!」
Bくん「別にいいじゃん!」
と、わがままに振舞ってしまいます。
ここで大事なことは、わがままに振る舞う子どもに主導権を与えないことです。
Iメッセージは、柔らかく伝えることができますが相手に主導権を与えてしまうので、思い通りに振舞う余地を残します。
なので、選択権のないYOUメッセージを使った方が効果的です。
◆YOUメッセージの場合
先生「そんなこと言ってBくん、点数がAくんに負けたのが悔しかったんだよね」(YOU)
Bくん「え!?」
先生「確かに20点も負けてたら悔しいよね〜」(YOU)
Bくん「・・・違うよ!」
先生「違うか〜そうだよね!Bくんは自分が負けたからって友達に嫌なことしないよね。」(YOU)
Bくん「・・・うん」
先生「嫌なことを言ったら謝れるよね!」(YOU)
B「・・・うん」
先生「じゃあ、点数言いふらしたこと謝りましょう。」
Bくん「ごめんね」
ポイント
今回の事例は「気持ちの理解が苦手だからわがままな子」のケースです。
Iメッセージは、「自分はこう思う」という伝え方なので、気持ちの理解が苦手な子には伝わりにくいという特徴があります。
また、「相手の気持ちがわからない=自分の気持ちもわからない」ということが多いです。
なので、最初に必要なのはBくん気持ちを先生が言語化し理解させることです。
「あなたはの気持ちは〜です。」
今回は「悔しい」という言葉で気持ちを言語化しました。
これもYOUメッセージです。
以前紹介した「マイナスの言葉を教える」と同じです。
また先生が言語化すると、子どもは「自分の気持ちを理解してくれる」ととるので嬉しく感じて素直に聞いてくれます。
その上で、「あなたは嫌なことは言わない人間です」という肯定的YOUメッセージで行動を振り返ると、素直に謝ることができます。
これは、以前紹介した子どもの気持ちを決めつける、という方法と似ていますが、より子どもの気持ちを当てる必要があるので少し難しい方法です。
終わりに
このようにYOUメッセージであっても使い方次第で効果的な支援になります。
- 最近は、「なぜ?」と傾聴する
- Iメッセージを使う
という相手に選択権の多い手法が人気ですが、気持ちの理解が進んでいない子ども対応では、効果が低いことも知っておくと便利です。
実はこのYOUメッセージは男性の先生が得意なケースが多いです。
「男」は、男同士の中でどうマウントを取るか?(=命令権を得るか?)という争いを続ける生き物です。
そして、上下関係がはっきりすると、立場と役割が安定するので男は安定する特徴があります。
なので男性の先生は、男の子には主導権を握ると大人しくなることを感覚的に知っているので、わがままな子への対応が上手なケースが多いです。
なお女性でも厳しい人間関係を勝ち抜いてきた方には得意な方はおられます(^ ^)
反対に女性は受容と共感が必要な対応では、強みを発揮される方が多いと思います。
大雑把な男性にはなかなか苦手な分野です(^^;;
これは男女差別ではなく性差の話ですのでご理解ください(^^;;
言いたいことは、子どもの対応には色々な方法が必要なので、YOUメッセージもIメッセージもどちらも使えるよう意識しましょう、ということです(^ ^)
これは1つの方法ですので、子どもの実態に合わせて参考にしてくれればと思います。
以上です。
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