子どもが生き生きと活動する11の座席隊形

目次
座席隊形
授業やイベントにおける教室の座席隊形は重要です。
隊形によって、活動の質は大きく変化します。
今回は、私が授業で使っていた座席隊形を紹介します。
なお人数や、教室の形などでも左右されますが、今回は三十人前後の一般的な教室を想定しています。
① 一斉授業型(1)
最も一般的な隊形がこの形ではないでしょうか?
全員が黒板と先生を見る形になるので、授業に集中しやすい形です。
シンプルなので、掃除の時も子どもが座席の位置で迷うこともなく良い形です。
② 一斉授業型(2)
①の体型に左右の号車を黒板の方に向けた形です。
一斉授業隊形(1)の場合、左右の号車の子どもは黒板に顔だけ向くことになるので首に負担がかかります。
一方(2)の場合は初めから席が黒板を向いているので、体の負担が少なくてすみます。
「気にしなくても大丈夫だよ!」という人もいますが、「1年間続けると何か影響があるのでは」と思う不安症の私は、クラスの標準隊形を②の体型にしていました。
デメリットは掃除の時、子どもが元の隊形に戻すときに大変なことです。
これは、床に目印となる線を引くことで解決していました。
③ コの字体型
席が黒板ではなく、教室の中央を向いている形です。
子どもたちが常にお互いの顔が見えるので、
- 話し合い活動
- ディベート型授業
- 真ん中のスペースを使った発表
など交流系の活動が好きな先生がよく使います。
デメリットは、一斉授業の時に子どもが黒板を見るのが大変なことです。
特に、真横を向いている子は90度首を曲げないといけないので、かなり負担がかかります。
また、子どもは距離が近くお互いの顔も見えるので、雑談が生まれやすくなります。
よって、コの字隊形は体ができてきた高学年で、場面による切り替えをしっかり指導できる先生が使うことが多いです。
④ 独立型一斉授業隊形
①~③と違い、一人ひとりが独立している一斉授業隊形です。
パーソナルスペースを意識し始める高学年や中学高校でよく見られます。
独立しているため、隣を気にせず自分の作業に集中することができます。
デメリットは、隣の人がいないためペアトークなどの交流にひと手間かかってしまうことです。
逆に言えば前後左右の人と平等に交流できるので、工夫次第で交流の活性化につなげることもできます。
⑤ 班隊形(1)
班隊形は、4人1組で席をつけて組みます。
①の一斉授業隊形から席を移動すると、すぐに作れるので、
- 給食
- グループ活動
などで、使われることが多いです。
また、遠足などの学外活動もこの4人班のメンバーで行うことが多いのではないでしょうか。
もっともよく見られる隊形の1つだと思います。
⑥ 班隊形(2)
4人班のうち、前2人だけが座席を横にしてくっつけた隊形です。
④の隊形と似ていますが、
- 席の移動が半分の人数ですむ
- 体の位置が近くなるので、より話し合いやすくなる
といったメリットがあります。
一方、班の中で距離が近づいた分、中央の作業スペースは④より狭くなります。
より少人数の話し合いに特化した隊形と言えます。
⑦ 号車隊形
2列ずつで班にした隊形です。
8人前後で組むことになるので、人数が増え活動がより盛り上がります。
一方、4人班より一人の発言量は減るので、話し合いよりも
- お楽しみ会のゲーム
- 図工の創作活動
など活動重視の授業に効果的です。
また給食時も号車にすると、子どもたちの交流人数も増えるので好んで使う先生も多いです。
ただ、しゃべりすぎて時間内に給食を食べ終わらない子が増える可能性も高まります(笑)
※私の地域では、この2列隊形を「号車」と呼びます。
ほかの地域では別の呼び方かもしれませんがご了承ください。
⑧ テスト隊形
中央を境に、壁側と窓側の両隣に座席を向けた隊形です。
まわりと距離が空き、前方の子の人数も減るので、
- 余計な刺激が少なく集中できる
- カンニングしにくい
などのメリットがあるためテストの時によく使われます。
⑨ ペア班隊形
隣の席とペアで席をくっつける隊形です。
交代音読など、ペア活動を充実させたいときに使います。
また、図工で絵の具を使うときに2つの席の間に、お互いの絵の具を2つ並べると、机の上の作業スペースを広くとれるようになります。
ほかにも、国語の伝統文化の単元で五色百人一首をする先生も多いと思います。
一色20枚なのでペア班隊形だとちょうどよく取り札を広げて遊べます。
⑩ ロの字隊形
座席を壁際に寄せて真ん中のスペースを開けた形です。
中央にスペースができると同時に、自分の席にも戻りやすいので、
- 係活動
- 班で大ポスター作製
- お楽しみ会
など大人数で広いスペースを使う活動に使われます。
また、全員の顔が見えるので「異学年や地域の人との交流給食」など、特別な機会で使用する先生も多いです。
⑪ 全体交流隊形
①の一斉授業の体型から全員教室の中心を向いた形です。
お互いの距離が近く、子どもの発言が全体に伝わりやすいので、
- 意見の全員発表
- 二項対立議題でのディベート
など、全体交流の機会で使います。
複雑な見た目からは意外な程すぐできる隊形なので、私はよく使っていました。
終わりに
日本の学校は一人ひとりが独立した机を使用しているため、柔軟に隊形を変えられるのが強みです。
授業の学習効率を上げるために、座席の位置から考えてみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです 🙂
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